27日:山村の地元学、チームごとまとめ
28日:全体でフィールドワークのシェア
- 地元学
一日目、各チームに分かれ山村の地域の方々にお話を伺いに出かけました。いろんな視点で地域を見て、話を聴いて、その土地について学びます。私たちのチームが訪れたのは豊田市下山の羽布地区です。全体で55戸人口231名ほどの地域で、三河湖のある羽布ダム、田畑、山、川と水が豊かな地域です。地元案内人の三人とともに羽布地区を案内していただきました。地元の方のお話は面白いものがいくつもありました。 - ずっと55戸
羽布の下山地区は、昔とかわらず今も55戸の家が並びます。山に囲まれ、水も豊かな地区で、各々の家の水は井戸の水を使っているのだとか。長男が家を守ることがまだまだ守られている地域で、それぞれの家に長男が産まれたら、親戚中でお祝いをするそうです。大切にされていることを感じると、長男は自然に家を守らないと行けないという意識が芽生えるそう。「一番上の子をしっかり育てればあとの子どもは自然に育つ、上が自然に下の子を見るんだよ」「食べ物を分け合う時は一番上が兄弟分を切り分けて、一番下から選ばせる」「子どもは地域で育てる」と地元案内人の浅井さんのお話です。人が集まるということは土地に誇りをもち、大切にするからこそです。この下山地区はそんな"人"が育まれる場所だということが伺えました。 - 日本で最後に電気が通った家
下山をもっと奥に上ったところに民宿を営む家があります。ここは日本で最後に電気が通ったところ。つい25年前までは電気が通っていなかったというのです。それまでは隣3軒と水力によって発電していたのだそうです。小学校に行くときに水車小屋によってスイッチをいれることが日課だったそう。「夏は水の流れが強いので、よく停電しました。秋になると落ち葉が絡まってまた停電。テレビを見るときは家中の電気を切って、テレビに集中させました。」と民宿のお母さんが話してくださいました。
今の私たちはスイッチ一つですぐにつく電気、停電もめったにしない、便利な生活です。しかし今私たちは同時に電気がどのようにして私たちの元に届けられているのかというところにも想いを馳せることはなくなったように思います。
電気がどこからやってきて、水の力や季節とともに変化する、自然とともにあった下山のお母さんのお話を聴いて、何が本当に豊かなのか、ということを考えました。 - こびそ
「こびそ」とはこの地方の方言だそう。ぼちぼちとか、少しずつとかこつこつとかそういった意味の言葉です。この地域の産業がぼちぼちながら今も続いているのはこの言葉を大切にしているから、といってもいいかもしれません。会社を大きくすることや、経済成長することよりも、長男が出て行かないこと、田畑を耕すことを優先に考えているこの地域。地域でひとが育まれ、次につながっていくのかもしれません。何よりあったかい下山のひととの出逢いがそれを示していました。 - 全体でのシェア
翌日は地元学の振り返り、シェアを行いました。グループそれぞれが自分の行った地域についてまとめ、発表を行います。地域によって、現状や課題も異なり、同じ豊田といっても地域には地域の色があるということが一目瞭然でした。
何をもって持続可能というかはひとそれぞれです。ですが、地域に根をおろし、自然の中で、ひとが生活を営むということは、とても重要で、四季にあった暮らしを営むことは人間本来の生き方なのだと感じました。けれどそれと同時にその過酷さも知らねばならないのだと思いました。都市に住む私たちはあまりに便利で電気がどこからやってくるのか、食べ物がどこからやってくるのか、見えない部分が多すぎて、どこかバーチャルな暮らしになっている気がしています。
今回の豊森では本当に豊かなことはいったい何か、暮らしとは何かを考える機会となりました。
(唐木志穂)



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