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講座レポート

【第5回フィールドワーク・演習】聞き書き

投稿者 : 豊森事務局

2009.10.01
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9月26日(土)~27日(日)
今回は、2日間に渡りフィールドワーク・演習「聞き書き」を実施。

  • 聞き書きとは


郷土史、民俗調査は、事実・史実の積み重ねであるが、聞き書きは、その行間を埋める作業である。その人の職業や想いを通し、そこに生きた人間の人生を浮かび上がらせる。
その人の生き方や生きることへの想い願いを作品にし、伝え、引き継いでいく一つの手法である。



  • 聞き書きの手法


1 「聞き書き」のテーマを考えて話を聞く人を決める。

2 電話などで取材を申し込み承諾を得る。

3 準備
①心構え
  相手の人生を聞かせていただく。
  相手を尊敬し、謙虚な心で聞く。
②風土を読む
  その人が生きてきた情景を見る。歩いて考える。
  坂道の勾配、土の匂い・・・・
  少しでもその人のことを勉強して知る。
  自然には全て意味がある。
③質問を用意する
  会話の「きっかけ」として、何が聞きたいか、
  あらかじめ質問を用意する。
④録音機の準備

4 まず相手に伝えること
①「聞き書き」とはどういうものであるかを伝える。
②録音し、カメラで写真を撮らせてもらう了承を得る。
③原稿はご本人に確認し、不都合があれば
  修正・削除できることを伝える。

5 聞く
①「聞き書き」は「対話」
   聞き手と話し手との会話が「聞き書き」。
   話し手にとっては当たり前のことが
   本質であることが多い。
   繰り返しになっても、何度でも聞き直す。
②メモをとる。
③分からない言葉は聞く。
④自分の常識を疑う(思い込みを捨てる)。


6 まとめ
①書き起こし(テープ起し)・・・・これが一番大変
②聞き手の質問などいらない部分はどんどん削る。
③人格を崩さない。
  趣旨を曲げない範囲で修正し、文章を整える。
④話のまとまりごとに、小見出しをつける。
⑤読者が興味を持ち、読み進むように並び替える。
⑥表題を決める。

7 相手(話し手)に内容を確認してもらい、適宜修正。

8 完成したら、お礼の気持ちと一緒に相手(話し手)に
  作品を届ける。



  • 「聞き書き」の実施(私たちの班は、槫俣地区のIさん)

先祖代々続く家の4人兄弟の長男として生まれ、物心ついたときから、「跡継ぎ、跡継ぎ」と言われ、一つのまんじゅうも自分が半分、残りの半分を3人が分け合うことが当然のごとく育ち、高校を卒業後就職、その後名古屋勤め、高蔵寺に住居を構える。43歳で槫俣にUターン。毎朝午前6時に家を出て名古屋へ。地域のお役も全部出た。60歳で退職。

現在、鮎つり、山の間伐、地域活動に、「小さな貧乏な集落だけんね」と言って頑張っておられる。

「子どもには帰って来てほしいというのはありますね。でもね・・・・・・我が家がわしの代で絶えるのは、ご先祖に申し訳ないで、何が何でもひとり首に縄をつけてでも引っ張り込まにゃっていう気持ちはない。跡継ぎだ、ご先祖代々に申し訳ないなんちゅう気持ちは、ある程度、全部捨てたちゃいかんだろうが、まあ、今の若い連中の考え・気持ちも汲んでやらにゃいかんかなぁ、ちゅう気はしますけんね。」

田舎育ちの長男で現在岡崎に住んでいる私には心に残る一言



  • 感想

「聞く」から始まり、「対話」により互いに心を開き、信頼し合う気持ちが生まれ、書き起こしにより、繰り返し言葉を聞くことで、伝えたい大切な言葉に気付くこともある。相手の心に土足で踏み込み、人生そのものを丸ごと受け止め、その人の生き方や生きることへの想い、願いを作品にする。作品は、話し手の人間性が現れ、読めば多くの人が必ず話し手に興味を持ち、その人が生きてきた風土を好きになると言われる。

地域は人と人の集合体。地域の何人かの人の「聞き書き」をすれば、地域の共通点が浮かび上がり、地域をみつめること、知ることに繋がる。

そこで、過疎化・高齢化が進んでいる三河山間地域の地域振興、活性化の手段として、中高校生に「聞き書き」を勧めることも一手か。
地元で暮らす元気な高齢者の方々に「聞き書き」をする。地域において人々が長い時間をかけてつくりあげてきた風景や生活文化が、人から人へ、世代から世代へと受け継がれてきたこと。中高校生のふるさとに対する愛着、おもい深めることに繋がるのではないか。
また、自分自身の生き方を考える手掛になるのではないか。
さらにもっと作業を進め、10年後、20年後の未来はどうあってほしかと夢を描いてみては。

                               庄田元久


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