第9回 豊森なりわい塾
地域デザイン講座 テーマ「森林の保全と利活用をどう考えるか」
2日目(1月24日)
場所:里山学習館エコの森ハウス
地域デザイン講座二日目は、山の現状や取り組み、問題点、これからのやるべきことなどを、いろいろな立場の方からお伺いさせて頂きました。
【午前】
森林には、いろいろな関わり方をされている人が居ます。行政、森林組合、林業家、地元企業、建築家、材木屋、ハウスメーカー、家具職人などなど、ほんと様々です。その中で、まず、豊田市の取り組みについて、北岡明彦氏(豊田市産業部森林課)に講演して頂きました。
『豊田市百年の森構想について』
豊田市は、平成17年4月に合併し市域の約7割(60000ha)が森林という「森林都市」になりました。豊田市は、森林を市民の重要な生活基盤として捉え、公益的機能を高度に発揮することで、災害に強い森作りの実現等を促進することが必要だと考えています。
●公益的機能とは?
自然災害から、市民や街、企業を守ること。洪水や土砂崩れなどの自然災害を防ぐ機能のことを言います。
さかのぼること、東海豪雨。矢作川が増水。豊田スタジアムあたりで、堤防から手が洗える程まで増水してしまいました。もし、決壊していたら、豊田市役所はもちろん、トヨタ、地元企業、市民、豊田市の機能が壊滅的になっていました。その被害額は、何十兆円にも登るとの予測。この様なことがないためには、どうしたら良いか?やはり、上流の森林を大切にする必要があると考え、再度、森林を見直すようになりました。
●現在の取り組み
10年で25000haを間伐する。
現在、60000haの森林のうち30000haがスギ・ヒノキの人工林です。このうち、25000haが適正に管理されていない人工林で、間伐手遅れの状態にあります。この森林を、年2500ha間伐して、公益的機能を高めようとしています。
●問題点
現在の現場の力では、年1300haしか間伐ができない。何故か?
① 山の経済性が低下したことにより、山主の山離れが多いため、その山を手入れできない。
② 間伐する人が少ない。現在、豊田市森林組合に一般職50人、現場150人の人数では、1300haが精一杯。
【午後】
さて、午後になりまして、森林に関わるいろいろな立場でのプロをお招きして、豊森相談室を行いました。
受講生の森林への思い、木の流通の問題点、山の見方、これからの森林の向かう所は?など、受講生の思いや分からないことなどを、コメンテーターにぶつけてみました。
コメンテーター:北岡明彦氏(豊田市産業部森林課)
:安藤久氏氏(林業家)
:菅野知之氏(株式会社ログウェル日本)
:林冨造氏(豊田森林組合)
●親が持っている山があるのだが、何処から何処までがうちの山か分からないのですが、どうやって確認できますか?
まずは、その山の近くの森林組合を訪ねる。森林組合には、森林簿や森林計画書、公図などがあり、それらを持って自分の山に行き確認すると、一番分かりやすい。
●山主さんに、良いアドバイスが出来るように、山を見るポイントを教えてください。
山主さんがどういう山にしたいのか?何のために、木を植えたのか?を山主さんの思いなどをきちんとヒアリングすることが大切。それを踏まえたうえで、山を見ることが必要。
●木が消費者に渡るまでに通るたくさんの中間業者を何とか減らして、山主に多く還元でき、消費者も安く、簡単に購入できるようにはならないか?
たくさんある中間業者も、流通の中で必要な役割を持っている。なかなか、この流れを飛ばすことは出来ない。しかし、自社で何箇所かの役割を一括でやれば、何個かの中間業者を飛ばせるかも!?
などなど、たくさんの質問出ました。現状の山の状態、その立場立場での考え方や思いは、とても複雑に絡まっているようでした。広大な山だけに、関わる人も多く、多くの問題を抱えていました。でも、今、これだけ山を見直そうという意見が飛び交っているということは、少しずつですが良い方向に向かっていって欲しいです。
【感想】
今回は、森林についていろいろな方にお会いでき、山への関わり方によって、様々な問題があるのだと感じました。しかも、その問題は、一長一短には解決しないような、物凄く時間がかかる問題ばかりでした。
私は、山に近いとこに住んでおりますが、まさかこんな近い山にも、こんなたくさんの問題があるなんて思いもしませんでした。しかも、子供のころから、自然にある山・木なので、自然にあるものだと思い込んでいましたが、実は、人の手で植えられ、放置されているものも多いことに気付かされました。もっと山に目を向け、山を木を知ることが大切になってくると思いました。折角、豊森で勉強しているし、森林関係者も多い中で、もっと木のことを勉強しなくてはならないと思いました。「木を知らずして、環境は語れない!!」という、安藤氏の言葉がスゴク耳に残りました。私も、折角勉強の場を与えられているのだから、もっと木のことを突っ込んだところまで学びたいと思います。
今回、この白熱したディスカッションに参加させて頂いて、山には無知な私は、聞いているばかりでした。しかし、こんなに山のことを熱く語る方がこんなに居れば、今のたくさんの問題を抱えている山も、きっと何とかしてくれるのではないかと感じました。是非、ここにお集まり頂いた方と豊森生が一体となって、多大なる問題を打破するプロジェクトをやって欲しいと感じました。
(丹羽 豊)



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